2020年02月05日

読書記録:2019年8月〜2020年1月:+ハワイの植物図鑑、STAR WARS英和辞典

昨年の帰国時に読み終わった本の数冊は友人に差し上げてきたのだが、一応写真を撮ったはずが出てこないので、2〜3冊記録抜け。


「抱く女」桐野夏生 新潮文庫

抱く女 (新潮文庫) - 夏生, 桐野
抱く女 (新潮文庫) - 夏生, 桐野


舞台は1972年の吉祥寺。

私が住み始めた頃なのだが、学生の左翼運動が盛んな時期で、そんな中の青春物語。



「脳男」首藤瓜於  講談社文庫

脳男 (講談社文庫) - 首藤瓜於
脳男 (講談社文庫) - 首藤瓜於

爆弾犯と特殊能力者と警察のサスペンス。

続編が読みたくなる。


「痣」伊岡瞬  徳間文庫

痣 (徳間文庫) - 瞬, 伊岡
痣 (徳間文庫) - 瞬, 伊岡

辞職間際の刑事が、過去の事件と向き合う事になるサスペンス。


「夏の騎士」百田尚樹 新潮社

夏の騎士 - 百田 尚樹
夏の騎士 - 百田 尚樹

あらゆるジャンルの本を書いている百田尚樹のメルヘンストーリー。

期待していたが、ちょっと簡単だったかな。


「影法師」百田尚樹 講談社文庫

影法師 (講談社文庫) - 百田 尚樹
影法師 (講談社文庫) - 百田 尚樹

百田直樹の泣ける時代小説。


「現代語古事記」竹田恒泰 学研

現代語古事記 ポケット版 - 恒泰, 竹田
現代語古事記 ポケット版 - 恒泰, 竹田

「神社仏閣ツアー」を始めてから、古事記にも興味を持ち、You Tubeでも色々見たが、この本を読むとわかりやすい。

やっぱり日本は凄い国だ。


「いつか、虹の向こうへ」伊岡瞬  角川文庫

いつか、虹の向こうへ (角川文庫) - 伊岡 瞬
いつか、虹の向こうへ (角川文庫) - 伊岡 瞬

伊岡瞬の刑事モノだが、ちょっとコミック過ぎて、期待ハズレ・・・


「症例A」多島斗志之  角川文庫

症例A (角川文庫) - 多島 斗志之
症例A (角川文庫) - 多島 斗志之

精神科医師の話。

読みごたえは十分。


「絶唱」湊かなえ  新潮文庫

絶唱 (新潮文庫) - かなえ, 湊
絶唱 (新潮文庫) - かなえ, 湊

双子の話なのだが、最初は展開が掴めない。

だが最後は南の島を舞台に、かなり泣ける話。


「聖女の救済」東野圭吾  文春文庫

聖女の救済 (文春文庫) - 東野 圭吾
聖女の救済 (文春文庫) - 東野 圭吾

毒殺殺人ミステリー。

最初からわかっている犯人と事件の証拠を繋ぐために、トリックを暴いていく、東野圭吾の世界。


「恋のゴンドラ」東野圭吾  実業之日本社文庫

恋のゴンドラ (実業之日本社文庫) - 東野 圭吾
恋のゴンドラ (実業之日本社文庫) - 東野 圭吾

スキー場で起きる青春物語。

コミカルだが、展開は面白かった。




昨年の帰省時に、持ち帰った本があった。

普段はハワイで友人から流れてくる本をランダムに読んでいるが、時々読みたい本はある。

帰国前にそれらをネット購入して、東京の自宅に送っていたのだが、これが結構重くて大変だった。


まず百田尚樹の本を2冊。

一冊は出たばかりで単行本。



そして、ハワイの植物図鑑も買ってきた。

「ハワイアン・ガーデン」近藤純夫 平凡社

新版 ハワイアン・ガーデン: 楽園ハワイの植物図鑑 - 純夫, 近藤
新版 ハワイアン・ガーデン: 楽園ハワイの植物図鑑 - 純夫, 近藤

これも重かったが、一番重かったのがこれ。

ずっしりと思い。



スター・ウォーズ英和辞典 全3巻トリロジーBOXセット - 学研辞典編集部

元々スターウォーズを英語の勉強に役立てていたので、欲しかった。

これは3冊セットで、初級、中級、上級がジェダイ・パダワン、ナイト、マスターに分かれている。



台詞と一緒に単語を覚える仕組み。



さらに付録として、”ジャバ語辞典”が付いていて、ついでにジャバ・ザ・ハットの言葉も理解出来る。




やっぱり外に持って行くのは文庫本の方が便利だが、これからしばらく家ではハワイの植物図鑑とSTAR WARS辞典ばかり眺めていそう。






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2019年08月07日

読書記録:2018年12月〜2019年07月

ハリケーン・エリックはハワイ諸島の南に逸れ、熱帯低気圧になったが、湿った空気と若干の波を南側に寄せた。

そして次のハリケーン・フロッシーも既に熱帯低気圧に落ちたのだが、真っ直ぐハワイ諸島に向かっている。

火曜はオアフ島に最接近するとみられていたが、空は晴れている。

今後被害が無いことを祈っている。


さて、久しぶりに読書記録。


・「日本国紀」百田尚樹 幻冬舎
日本国紀


マスコミが触れない、隠れベストセラーと言う事だったが、実際にはかなり話題になっているようだ。

日本人が知るべき日本の歴史を、わかりやすく、簡潔にまとめてある。

日本を好きになる歴史書。

保存版。


・『「日本国紀」の副読本」 百田尚樹・有本香 産経出版

「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史 (産経セレクト S 13)
「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史 (産経セレクト S 13)

「日本国紀」を深く読むための副読本。

何故今、「日本国紀」を読む必要があるのか。

これもお勧め。


・「戦争と平和」百田尚樹 新潮新書

戦争と平和 (新潮新書)
戦争と平和 (新潮新書)

まず百田尚樹は読みやすい。

語りかけるような、そしてわかりやすい言葉を使って、順序立てて組み立てる文章は、スッと心に入ってくる。

この本の内容は重い。

日本人は基本的に戦争に向いていないと言う理論は、サムライ精神の中にも義理を守る文化があったり、人を信用する徳があったりするからで、敵に対する思いも他の国と大きく違うからだろう。

実際に日本はかつて勇敢に戦ってきた。

そして一度の負けで大きく変わってしまった。

これに歯止めをかけるためにも、憲法改正は必要と言う話。


・「アミダサマ」 沼田まほかる  光文社文庫

アミダサマ (光文社文庫)
アミダサマ (光文社文庫)

SFサスペンス。

独特の世界に引きずり込まれて、あっという間に読み終えた。



・「セカンド・ラブ」乾くるみ 文春文庫

セカンド・ラブ (文春文庫)
セカンド・ラブ (文春文庫)

恋愛ミステリー。

見た目はそっくりで、性格は対照的な二人の女性に翻弄される話。


・「火のみち」(上・下)乃南アサ 講談社文庫

火のみち(上) (講談社文庫)
火のみち(上) (講談社文庫)

戦後からの昭和の時代の中で、苦労しながら陶芸家になる男の話。

家族や兄弟の絆、そして葛藤は、涙なくしては読めない。


・「家康、江戸を建てる」 門井慶喜 祥伝社文庫

家康、江戸を建てる (祥伝社文庫)
家康、江戸を建てる (祥伝社文庫)

荒野を開拓して江戸を作った家康と、それに携わった家臣たちの話。

仕事に対するプライドにも驚くが、400年も前にも日本人は色々な事を考えて、研究して都市を作ってきたのだと言う事が分かる。



・「わが心のジェニファー」浅田次郎 小学館文庫

わが心のジェニファー (小学館文庫)
わが心のジェニファー (小学館文庫)

日本好きのジェニファーから、結婚の条件として日本への一人旅を命じられた青年の物語。

浅田節は効いているが、どうも妄想の世界が強くて、現実味は感じられなかった。


・「オリンピックの身代金」(上・下)奥田英朗 角川文庫

オリンピックの身代金(上) (角川文庫)
オリンピックの身代金(上) (角川文庫)

来年の東京オリンピックを控えて、タイムリーな内容だと思ったら、これは昭和39年のオリンピックを控えた中、爆弾事件と戦う話。

当時の建設ラッシュの様子や、そこに起きる事故や過酷な労働環境、高度経済成長とそれに取り残された貧困の世界など、今のオリンピックにもある程度は起きていると想定されるので、やはりタイムリーな内容か。


・「東電OL症候群」佐野眞一 新潮文庫

東電OL症候群(シンドローム) (新潮文庫)
東電OL症候群(シンドローム) (新潮文庫)

この本は、1997年に起きた事件について書かれた「東電OL殺人事件」のその後の話である。

なお、さらにその後、この容疑者は2012年に無罪が確定している。

この事実を知ってから読むと、安心するかも。


・「文福茶釜」黒川博行 文春文庫

文福茶釜 (文春文庫)
文福茶釜 (文春文庫)

古美術ミステリー短編集。

古美術を使った詐欺師たちの手口。


・「七つの会議」 池井戸潤 集英社文庫

七つの会議 (集英社文庫)
七つの会議 (集英社文庫)

池井戸潤の企業内争い物で、会議を中心として構成されている。

最後はちゃんとスッキリさせてくれる。


曙光の街 (文春文庫)
曙光の街 (文春文庫)

公安課の刑事と、ヤクザ、そして旧ソ連KGBの元スパイの3人の男を中心に進む話。

そしてその後にそれぞれ人生の曙光を見つけだす。



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2018年11月23日

読書記録:2018年5月〜2018年11月

アメリカで世間はサンクスギビング・デーの祝日。

「感謝祭」と言う事で、家族と集まる日。

それが親戚一同になったり、ご近所さんや友達家族なんていう風に拡大され、まあパーティーをする日にもなっている。

ターキーを焼いて、こってりのグレーヴィーに甘いジャムを付けて、マッシュポテトと一緒に食べたりするのがアメリカ流だが、ハワイでも日本人が集まってチラシ寿司食べたりしてる人もいたりして、とにかく集っている人が多い。

翌日の金曜が「ブラック・フライデー」と呼ばれている方が、日本では有名なようだが、アメリカ人には4連休を取って遊びに行くファミリーも多いので、ワイキキもアメリカ人が多くなっている。

私はお客さんの少ない時期で、独り者は他の家族の邪魔しないように、家でゆっくりしてる。

たまに呼ばれる事もあるが、ターキーが珍しい訳でもないし、翌日以降に食べきれなかったコールド・ターキーを頂だけたらラッキー。


と言うわけで、今日は読書記録。

・「声なき蝉 (上)(下)」佐伯泰英 双葉文庫

声なき蝉-空也十番勝負 青春篇(上) (双葉文庫)
声なき蝉-空也十番勝負 青春篇(上) (双葉文庫)


声なき蝉-空也十番勝負 青春篇(下) (双葉文庫)
声なき蝉-空也十番勝負 青春篇(下) (双葉文庫)


若武者が剣豪に視聴していく様子を描いた、青春時代劇。

「西郷どん」もそうだが、これも薩摩の話。



・「水の中のふたつの月」 乃南アサ  文春文庫

水の中のふたつの月 (文春文庫)
水の中のふたつの月 (文春文庫)


幼馴染の女性3人が、過去に犯した事件を封印したまま、10数年ぶりに再会したところから、様々なことが蘇ってくるサスペンス。



・「ST 警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル」 今野 敏  講談社文庫

ST警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル (講談社文庫)
ST警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル (講談社文庫)


シリーズ物のようで、特殊能力や技術を持つチームの警察小説。

他のも読んでみたい。


・「ドミノ倒し」 貫井 徳郎  創元推理文庫

ドミノ倒し (創元推理文庫)
ドミノ倒し (創元推理文庫)

地方都市の探偵の話だが、おちゃらけのポイントが多すぎ。

本筋の内容は面白かった。



・「瑠璃の雫」 伊岡 瞬  角川文庫

瑠璃の雫 (角川文庫)
瑠璃の雫 (角川文庫)

ミステリー小説。

途中で最初に戻って、確認しながら、あとは一気に読んでしまった。

読めない展開にドキドキした。



・「海賊と呼ばれた男」 百田 尚樹  講談社文庫

海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)
海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)

海賊とよばれた男(下) (講談社文庫)
海賊とよばれた男(下) (講談社文庫)

本当に昔の日本人は苦労して、日本を、日本人を守ってきたんだなぁと思う。

後半は涙が止まらない。

外で読んでた時は大変だった。。

「永遠のゼロ」「カエルの楽園」と、百田尚樹はハズレが無い。

実は最新の「日本国記」は注文済み。



・「殺気!」 雫井 脩介  幻冬舎文庫

殺気! (幻冬舎文庫)
殺気! (幻冬舎文庫)

タイトルだけじゃ全く内容はわからないが、殺し屋の話とか、忍者の話かと思ったら、拉致された経験のある女子大生が、他人の殺気を感じる能力を持ち、それを使ったりしながら、身の回りの事件を解決していくと言う話。


・「ミハスの落日」  貫井 徳郎  創元推理文庫

ミハスの落日 (創元推理文庫)
ミハスの落日 (創元推理文庫)

外国を舞台にしたミステリの短編集。

それぞれ雰囲気が違って面白かった。



・「クリーピー」前川 裕  光文社文庫 

クリーピー (光文社文庫)
クリーピー (光文社文庫)

これはクリーピー。

日本で実際に起きた家族同士を殺させるような洗脳事件は、本当に恐ろしく、クリーピーだが、そこを題材にしている。

でも実際の事件ほど凄惨ではない。

続編があるようなので、その方がさらにクリーピーかな?


・「終電の神様」 阿川 大樹  実業之日本社文庫

終電の神様 (実業之日本社文庫)
終電の神様 (実業之日本社文庫)

終電の絡む短編ストーリー集だが、それぞれが微妙に重なる部分が面白い。

ホロっとさせるシーンも多い、ヒューマン・ミステリー


・「成功している人は、なぜ神社に行くのか?」 八木 龍平  サンマーク出版

成功している人は、なぜ神社に行くのか?
成功している人は、なぜ神社に行くのか?

「神社仏閣ツアー」にも役立つ知識が満載だが、個人的に最近勉強していた事とあちこちで繋がって驚いた。

既に2度読んだが、これはキープ。




これから読む「日本国紀」が楽しみ。

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2018年05月29日

読書記録:2017年4月〜2018年4月

また1年振りになってしまった読書記録。


・「椿と花水木(上)(下)」 津本陽 幻冬舎文庫

椿と花水木―万次郎の生涯〈上〉 (幻冬舎文庫)
椿と花水木―万次郎の生涯〈上〉 (幻冬舎文庫)

椿と花水木―万次郎の生涯〈下〉 (幻冬舎文庫)
椿と花水木―万次郎の生涯〈下〉 (幻冬舎文庫)

ジョン万次郎凄過ぎ!

波乱万丈なんてものじゃなく、私が海外生活に苦労している事など、全く大した事ではないと感じてしまう。

上巻だけでも息を飲む展開が、下巻まで続き、読み応えがあった。

友人に勧めて貸し出したら、いまだに戻ってこない・・・



・「GO」 金城一紀 角川文庫

GO (角川文庫)
GO (角川文庫)

在日韓国人による在日韓国人のファンタジー小説。

母国以外で人生の半分以上を過ごしていれば、私も国籍や人種と言う物を否でも感じる事がある。

地球上でも特に混ざり方の激しい人種のるつぼであるハワイでさえ、エスニック・バックグラウンドによる線引きがされる場面がある。



・「その日の前に」重松清 文春文庫

その日のまえに (文春文庫)
その日のまえに (文春文庫)

タイトルの通りなのだが、最近涙腺が弱い私には読むのが大変だった。



・「シェエラザード(上)(下)」浅田二郎 講談社文庫

シェエラザード(上) (講談社文庫)
シェエラザード(上) (講談社文庫)

シェエラザード(下) (講談社文庫)
シェエラザード(下) (講談社文庫)

歴史ファンタジー小説。

これも読みごたえたっぷりで面白かった。



・「対岸の彼女」角田光代 文春文庫

対岸の彼女 (文春文庫)
対岸の彼女 (文春文庫)

二人の女性の少女期と大人になっての人間関係を考えさせられる物語。



・「ニサッタ、ニサッタ」乃南アサ 講談社文庫

ニサッタ、ニサッタ(上) (講談社文庫)
ニサッタ、ニサッタ(上) (講談社文庫)

ニサッタ、ニサッタ(下) (講談社文庫)
ニサッタ、ニサッタ(下) (講談社文庫)


「ニサッタ」って何だろう?と読み進めるが、なかなかその言葉が出てこない。

で、結局最後まで出てこない。

アイヌや琉球人など、日本人の中でも人種が存在するが、どういう環境で育ったのかによって人間は変わる、しかしそれを自覚するのは本人だけなのである。


・「カエルの楽園」百田尚樹

カエルの楽園
カエルの楽園


「永遠のゼロ」の作者として百田尚樹を知ったのが最初なのだが、元々放送作家として民放のバラエティ番組を作っていたそうで、発想が面白い。

カエルの国の話だが、実は現実の国家の姿を問う小説で、これを読めば日本人ももう少し当たり前の考え方に戻るのではないかな?



・「仮面同窓会」雫井脩介 幻冬舎文庫

仮面同窓会 (幻冬舎文庫)
仮面同窓会 (幻冬舎文庫)

同窓会をきっかけに、学生時代に世話になった先生にお礼参りをする話。

それが計画通りに行かず、不思議な展開に。


・「コールドゲーム」荻原浩 新潮文庫

コールドゲーム (新潮文庫)
コールドゲーム (新潮文庫)

高校時代にいじめられたことに対する復讐の話。

結末が面白かった。


・「鎖 (上)(下)」乃南アサ 新潮文庫

乃南アサ 鎖 上下巻セット (新潮文庫)
乃南アサ 鎖 上下巻セット (新潮文庫)

刑事物小説。

宮部みゆきは女性を感じて嫌な時があるが、乃南アサは女性を上手に使っている気がする。




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2017年04月02日

読書記録:2016年4月〜2017年3月 

1年振りになってしまった読書記録。

「Hawaii Five-0」ファンツアーでは散策時間や休憩時間などに、10〜30分の待機時間が出来る事が多く、本は欠かせない。

相変わらずオアフ島の日本人の間で回っている本だったり、「ブックオフ」の値札が付いていたりもする少し古い本が多いが、お客さんが飛行機の中で読んだ本を置いて行ってくれたり、話題の新刊をお土産に頂く事もある。

読み終わった後は、ちょっとした感想をメモっているが、自分の記録の為にも発表。

 

「八日目の蝉」 角田 光代  中公文庫



乳児を誘拐した誘拐犯と、誘拐された女の子が成長した後に、自分の境遇を探っていくサスペンス。

映画化もされたようだが、犯人の逃亡生活の部分と、大人になった自分を見つめる被害者の心の揺れが、引き付けられた。
八日目の蝉 (中公文庫) -


「サーソ(殺手)」 荻 史朗 双葉文庫



殺し屋の話。登場人物や団体が多くて、少し混乱したが、展開は面白かった。
殺手(サーソ) -


「黄金を抱いて翔べ」 高村 薫 新潮文庫



金塊を盗む大泥棒の話。細かな部分の描写がしっかりしていて、面白く、入り込んだ。
黄金を抱いて翔べ (新潮文庫) -


「二進法の犬」 花村 萬月 光文社文庫



ヤクザの組長とその娘と、家庭教師を中心とした萬月劇場。1000ページを超える長編だが、一冊なのでやたらと分厚く、この点はちょっと読み難かった。
二進法の犬 -


「理由」 宮部みゆき 朝日文庫



都内の高層マンションで起きた殺人事件を中心に、放射状に広がる関係者を追っていく話。

それぞれのディテールがしっかりして、宮部みゆきの世界を広げている。
理由 (朝日文庫) -


「真夜中の犬」 花村 萬月  光文社文庫



アウトローたちの暴力とセックスを描く、萬月ワールド。

これは結構切なかった。
真夜中の犬 (カッパ・ノベルス) -

「夕あり朝あり」 三浦 綾子  新潮文庫



クリーニングの「白洋舎」創業者の生涯。時代が違うとはいえ、半端ない苦労の連続を生き抜いてきた事に驚き。

私なら既に死んでいるだろうと思う状況を、何度も潜り抜けてきた強運には感心する。
夕あり朝あり (新潮文庫) -


「不祥事」 池井戸 潤  講談社文庫



池井戸潤の銀行裏話だが、新たなヒロインが出てきて、活躍する話。

テレビドラマにもなった様だが、どんな主人公になったのだろう?
新装版 不祥事 (講談社文庫) -


「株価暴落」 池井戸 潤  文春文庫



企業テロ、企業内の権力闘争を金融業界を舞台に描く話。
株価暴落 (文春文庫) -


「民王」 池井戸 潤  文春文庫



池井戸潤のSF作品。総理大臣とその息子が入れ替わってしまう話。

レベルの低い政治家とバカ学生、アホなマスコミと揃って、ドタバタが繰り広げられる。
民王 (文春文庫) -


「日暮らし(上・中・下)」 宮部 みゆき  講談社文庫



「ぼんくら」の続編と言う事で、もう一度読み直してから進めた。「ぼんくら」も面白かったが、江戸の時代小説で、登場人物がそれぞれに愛着が湧く。
日暮らし 下 -


「テスタメント(上・下)」 ジョン・グリシャム著(白石 朗:訳)  新潮文庫



海外小説は名前が覚えにくくて、避ける傾向にあるが、これは人物が少なくて問題無かった。

巨額の遺産を残して死んだ大金持ちと、その遺産を巡って起きる騒動。故人の仕掛けた罠に落ちていく様が面白い。
テスタメント〈下〉 (新潮文庫) -


「愛情医者のないしょ話」 志賀 貢  角川文庫



下町の病院の話。人情味あふれる医者や看護師、近所の人達だが、病気に関しては専門知識もあげられて、知識も付く。
愛情医者のないしょ話 (角川文庫) -




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2016年04月05日

読書記録:2015年5月〜2016年3月

老眼のせいか、最近新聞はほとんど読まなくなってしまったが、英語と違ってスイスイと入ってくる日本語の活字は辞められない。

と言う事で、久しぶりに読書記録。



「視えずの魚(みえずのうお)」明石散人  講談社文庫



最初は写楽をテーマにした、浮世絵ビジネスとかミステリーかと思って読み進めると、後半はどんどん展開が早くなり、最後はもうほとんどLOST。

筆者と同姓の人物が主人公で、これも意味があるのかな?

色々な業界の裏の話もあって面白かった。



「猫と海鞘(ねことほや)」群ようこ 文春文庫



動物ばかりではなく、自分の家族の話なども混ぜて、日常生活を群ようこ調に綴ったエッセイ。



「いいわけ劇場」群ようこ 講談社文庫



色々なこだわりを持って生きる人たちを描いた短編小説集。



「とんび」重松清 角川社文庫



昭和30〜40年代を舞台に、父:ヤスさんと息子:アキラの不滅の情を描いた物語。

こう言うのは、泣けてしまって、弱い。



「火車」宮部みゆき 新潮文庫



休職中の刑事が親戚に頼まれて始める人探しが、どんどん深くなっていくミステリー。

宮部みゆきの描写力は素晴らしいが、いつも思うのは、それが女性目線であることがすぐわかってしまう事。

男性像をもっと掘り下げていってほしい。




「ミッドナイト」 ディーン・R・クーンツ(野村芳夫・訳)  文春文庫



カリフォルニア北部の町を舞台にしたSFホラー。

長編だが、あっという間に読んでしまった。

SFの場合は描写をいかに自分の中でビジュアル化できるかが、面白くなるかのカギになるが、自分で想像した場面で怖くなった。



「探偵の探偵(T〜W)」 松岡圭祐  講談社文庫



探偵物の新しいジャンルの感じがした。

日本ではテレビドラマ化されたようだが、描写に限界があるだろう。

アメリカでドラマ化したら面白いかも。



「杉原千畝」 大石直紀  小学館文庫



日本では映画化もされたようだが、第二次大戦期にユダヤ難民の為に尽力した外交官「杉原千畝」の話。

やはり歴史に翻弄された人生を感じる事が出来る。

戦後の日本政府は彼の事を無視し続けたようだが、個人の功績を重視しない日本の姿勢は変わっていない。



「任侠病院」 今野 敏  中公文庫



地元に馴染んできた小さなヤクザの組が潰れかけた病院の再建に奔走する話。

既にシリーズ3弾目の様で、キャラクターの性格もしっかりしていて、面白かった。

1,2弾目も読んでみたいと思った。




「うつくしい子ども」 石田衣良  文春文庫



少年犯罪の話だが、犯人の兄の、事実を知りたいと言う気持ち、その後の生活や心を描いたミステリー。

イジメや少年犯罪と言うのはいつの時代にも起きる事だが、忘れがちな周りの影響を受ける家族や友人の存在を思い出させる。




「ナミヤ雑貨店の奇跡」 東野圭吾  角川文庫



時空のポケットが生まれた「ナミヤ雑貨店」の、お悩み相談の話。

オムニバス的な話が続くのかと思ったら、徐々にまとまっていく構成は、東野圭吾の上手さだろう。

読んだ後で色々考える。



「バランスが肝心」 ローレンス・ブロック  ハヤカワ文庫



ローレンス・ブロック傑作集(2)。短編小説集。

それぞれ短い話なので、人物の名前に苦労する事は無かったが、アメリカの小説はオチが難しい。

これは「お笑い」など多くの分野で言える事で、最後に読者の想像力を利用するものや、後半で徐々にネタがばれていくもの、最後の一行でハッとして終わる物など、様々あるのだが、そのオチがわかった時のインパクトとか、心に感じる物が、やはり日本人向きでは無かったり、文化的にしっくり来なかったりすると、少しモヤモヤする。

しかしこれはハードボイルドから運命の皮肉など、どれもわかりやすかった。








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2015年05月17日

読書記録

2014年9〜2015年4月にかけて読んだ本の記録と、ちょっとした感想。


「くじらの降る森」薄井ゆうじ  講談社文庫



亡き父に宛てられた、差出人不明の手紙から始まる物語。

大衆の中で流される生き方より、孤独の中で自分を見つめる事を考えさせられる。

舞台化されているそうだが、映画にした方が面白いかも知れないと思った。



「異国の窓から」宮本輝 角川文庫



1980年代、ドナウ川沿いにヨーロッパを旅した事を中心とした、紀行文。

ヨーロッパの国情が今とは異なるが、旅自体のスタイルは、携帯電話の時代、スマホの時代と、これからも変わっていくのだろうと思った。



「青い鳥の住む島」崎山克彦 新潮文庫



フィリピンの人口350人余りの島を買い、自然と住民の暮らしを守りながら住む日本人の話。

日本から見たら、ハワイの生活よりもずっと先にある、アイランドライフ。

強く憧れる反面、実際には想像もつかない苦労があるのだと思う。




「連鎖」真保裕一 講談社文庫



1991年の長編サスペンス。

背景には1986年のチェルノブイリ原発事故があり、放射能汚染食品が出回ると言う恐怖、そしてそこに輸入品の横流しや、密輸まで係わって来て、最後の謎解きが実に面白かった。

しかし放射能汚染の問題は、今や福島の事故に当てはめて考えると、別の怖さを感じる。




「殺意の航海」キャロル・ヒギンズ・クラーク 扶桑社ミステリー



大西洋横断の豪華客船で起きる陰謀を解決するミステリー。

最近はキャストが多いと<登場人物紹介>が巻頭にある本は多いが、どうせならもう少し細かく載せて欲しい。

名前だけでは印象に残らない、2度以上出てくるキャラに関しては、一行説明を入れてくれるだけで、大分読みやすくなるのになぁ。




「東京下町殺人暮色」 宮部みゆき 光文社文庫



バラバラ殺人事件を巡るミステリー。

宮部みゆきのタッチで、それぞれの登場人物が描かれ、東京の下町の人間関係や、情景が上手く表されている。




「我らが隣人の犯罪」 宮部みゆき 光文社文庫




ミステリー短編集。

テンポが良く面白かった。




「無印良女(むじるしりょうひん)」 群ようこ  角川文庫



エッセイスト群ようこの生い立ち、原点。



「スナーク狩り」 宮部みゆき  光文社文庫



わずか半日ほどの間の出来事を、人物描写と展開によって表現したサスペンス。

タイトルは最後になるまでわからない。







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2014年09月15日

読書記録

2014年5〜8月にかけて読んだ本の記録と、ちょっとした感想。



「エイジ」重松清  朝日文庫



身近で起きた通り魔事件から、自分や同世代の人間を考える、14歳の少年エイジの話。

実際に今の若い世代が置かれている環境は、冷たく、厳しく、またそれ故、我々には理解できない部分もあるが、友人関係や部活の悩みを抱えたり、基本的な事は通じる。

これからの時代がどう変わっていくのかを考えさせられた。  



「平成よっぱらい研究所―完全版」二ノ宮知子  祥伝社コミック文庫



酔っ払いの生態を自分の体験から綴った漫画。

昔はオレも記憶無くしたり、血を吐いたり、物を無くしたり、、、、下戸にはわからない世界。



「リアル鬼ごっこ」山田悠介  幻冬舎文庫



日本中の500万の「佐藤」が殺される!

SFの発想は面白いし、手に汗握る展開だが、オチにもっとインパクトが欲しかった。



「高砂幻戯」小松左京  ハルキ文庫



小松左京の短編集。

女シリーズなど、非常に面白かった。

また歴史的伝承、寄席や歌舞伎など、小松左京の幅の広さを感じる。

勿論SFファンにも納得いく作品集。



「ガイアの法則」千賀一生  徳間書店



シュメール文明から始まり、エジプト、インダス、黄河の4大文明の後に、今後800年かけて、これから日本が叡智が始まる。

天皇家の十六菊花紋章が、世界に共通するスピンの記号だったとは!






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2014年05月18日

読書記録

今年に入ってから読んだ本の記録と、ちょっとした感想。


「仇敵」 池井戸潤  講談社文庫



「半沢直樹」の池井戸潤の作品。

やはり銀行が舞台で、「半沢・・」よりダークな感じの世界。

彼の作品は日本の銀行業務にあまり詳しくなくても、読み進める事が出来る。



「夜行観覧車」 湊かなえ 双葉文庫



ドラマ化された作品で、ちょうどハワイでも放送していた。

小説とは若干ストーリーが違っていたようだが、キャスティングはピッタリだったと思う。



「あぽやん」 新野剛志 文春文庫



読むまで「あぽやん」の意味がさっぱり分からなかったが、これもハワイでドラマが放送された。

ドラマはチラッと見ただけで、面白くなさそうだったが、余分な部分の無い小説の方が楽しめた。



「モルフェウスの領域」  海堂尊 角川文庫



人口凍眠技術によって5年後に目覚めた少年の話。

医療ミステリーと言う事だが、SF作品として読んで面白かった。



「無印おまじない物語」  群ようこ 角川文庫



動物ものなどではとてもユニークな視点から文章を書く、群ようこだが、この「おまじない」をテーマにした短編集は、どれも終わり方が中途半端に感じ、次の展開も無いままに終了してしまう。

物足りなく、読んだ気があまりしなかった。



「林蔵の貌(りんぞうのかお)」  北方謙三  集英社文庫



林蔵とは、間宮海峡を発見した間宮林蔵の事。

幕末に向かう日本の、世界との接点にいた男たちの物語。

さすが北方謙三と言う感じの、ハードボイルド時代小説。

面白かった。




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2014年01月12日

読書記録

昨年秋から年末にかけて読んだ本の記録。


「ぼんくら」上・下 宮部みゆき  講談社文庫



さすが宮部みゆきと言う感じで面白かった。

江戸、深川の鉄瓶長屋を舞台に次々と事件が起こるのだが、それぞれ独立したストーリーが最後に繋がって行く様は天晴。




「殺し屋」 勝目梓  講談社文庫



タイトルの通り、本当に殺し屋の話。



「真夏の方程式」 東野圭吾  文春文庫



単純な様な事件が、視点の違いで凄く面白く感じた。

途中まで読んでから、福山雅治の主演で映画になっていたことを知ったのだが、すぐに、ああ、あの『博士』の役だとわかった。



「おれたちバブル入行組」 池井戸潤  文春文庫



昨年日本で流行った「半沢直樹」の原作と言う事で、楽しみに読み始めたが、これは面白かった。

ドラマではこの後のもう一冊の続編とを合わせたストーリーの様だが、これも読んでみたい。




まだまだ未読の古い本はたくさん残っているのだが、最近は比較的新しい本も読む事がある。

これらは在住の友人から回ってくるのではなく、お客さんが持ってきてくれたり、友人が送ってくれたりした物で、本を愛する仲間には感謝。




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2013年10月14日

読書記録

ツアー中に、散策時間などお客さんと離れている時間、ツアーガイドにとっては休憩時間でもあるが、その使い方は人によって様々。

車の中でひたすら昼寝をしている人もいれば、ノートパソコンを使ってメールの返事や事務作業をしている人もいる。

独りでタバコを吸っていたり、仲間のガイドと駄弁っていたり、近くに新しい店が出来たりすると、とりあえず様子を見に行ってみたり。

最近は、アメリカなどで流行っている「キャンディー・クラッシュ」と言うスマホのゲームに精を出しているガイドも少なくない。

中には集合時間を計算して、自分の用事を片付けに出かけて行ってしまう人もいるが、やはりお客さんに緊急の用事が発生した場合など、遠くに離れてしまっては対処にも時間がかかるので、基本的には遠出は出来ない。

私の様な読書派はあまり多く見かけないが、外で読むのが好きな私に対して、車の中やコーヒーショップで読書をしている人も数名いる。

今日は今年春からの読書記録。




「霊の棺(たまのひつぎ)」高橋克彦 祥伝社NON NOVEL



長編伝奇小説と言う事で、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」の様に時間を越えた話なのだが、戻る時間が違ってしまい、苦労や冒険が続く。

この話の前には「竜の棺」、「新・竜の棺」と言う2部があるようなのだが、これだけでも十分面白かった。

しかしこの2部もいつか読んでみたい。



「天草四郎の犯罪」西村京太郎 中央公論社



今の日本にいない、「英雄」を描いているが、本当の英雄は人の心に存在するもので、それがどう生み出されていったのか。

西村京太郎の展開に引き込まれた。




「陽気なギャングの日常と襲撃」伊坂幸太郎  祥伝社文庫



天才強盗四人組が巻き起こす事件簿で、かなり面白かった。

これも同じ四人組による前作があったようで、これも読んでみたくなった。




「フォトジャーナリストの眼」長倉洋海  岩波新書



紛争地を渡り歩いてきたフォトジャーナリストが撮った、そこに生きる人々の写真とエッセー

世界の話だけでなく、日本の山野の様子など、底辺の人の生きざまなどが伝わった。




「牙鳴り」夢枕獏  祥伝社NON NOVEL



長編新格闘小説と言う事だが、決して長くはない。

まだ続くようだが、続きがあるのかは不明。

夢枕獏の性と暴力描写はあるが、SFではなく、ストーリーがしっかりしているので、続きも読みたい。



「暴龍-ドラゴン・マフィア-」阿木慎太郎  祥伝社ノン・ポシェット



日本、LA、香港を舞台とした、長編ハード・アクション小説。

良い人間も完全無欠ではなく、絶望の淵から復活するところが良かった。




「投機地帯」清水一行  集英社文庫



証券業界小説と言う事で、私にはなんだかサッパリわからない部分もあったが、結局資本主義の影の部分を描いているのだろう。

数字合わせが得意な方には楽しめると思う。




「悪魔の飽食」森村誠一  角川文庫



第二時世界大戦までの日本軍の、細菌戦部隊の実像ドキュメント。

こんな悲惨な事が起きていたにも拘らず、中国では「南京大虐殺」ばかりを誇大に吹聴しているのがよくわからない。

戦争が人を、そして国を凶器に変えるのは昔から一緒だったのだろう。




「碑夜十郎」(上)、(下) 半村良  講談社文庫



長編時代小説だが、これも時空を旅してきた人物が主役。

テンポが良く、楽しめた。



「渋谷ルシファー」花村萬月  集英社文庫



渋谷の「ルシファー」と言う店が舞台。

花村萬月の作品にしては、ちょっと大人しいなと思ったら、処女作なのだそうだ。

暴力シーンは少ないが、登場人物たちが、みんなとてもイイ感じ。




「マフィアの噺」常盤新平  文春文庫



シチリアからアメリカにやってきたマフィアの噺。

移民の歴史でもある。




「犬の系譜」椎名誠  講談社文庫



子供のころの筆者の生活を、飼っていた犬を軸にして語っている。



「魔弾」スティーブン・ハンター  新潮文庫



第二次世界大戦も終わりに近づいたころ、ドイツで計画されていた極秘任務。

それを阻止しようとした連合国軍の話。

もうドイツ人の名前なんか、ほとんど区別がつかなかった・・・。





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2013年02月18日

読書の1年

読書カテゴリを復活させても、結局また1年書き込みが開いてしまった。

と言うことで、昨年春から読んだ本の記録。



「ソウルケイジ」誉田哲也 光文社文庫



映画になった「ストロベリーナイト」の続編で、姫川玲子シリーズ第2弾。

「ストロベリーナイト」はキャラクターの描写が面白かったので、同じキャラクターが出てくるこのストーリーはテンポ良く読み進められた。



「シンメトリー」誉田哲也 光文社文庫



姫川玲子シリーズ第3弾で、短編集。

短編集の全体がまた”シンメトリー”になっていると言う形。



「研ぎ師 人情始末」シリーズ1〜15 稲葉稔 光文社時代小説文庫



江戸の研ぎ師、荒金菊之助の大活躍する、痛快時代活劇。

迫力のある剣戟描写と、人情味溢れる内容で、時々ホロッとしながら楽しく読む事が出来た。

携帯電話もインターネットも、自動車さえない時代の話はルールが単純で良いが、内容が似通ってしまいがち。

しかしこれは毎回ストーリーが楽しめた。



「プリンセス・トヨトミ」万城目学 文春文庫



日本で2011年に映画化され、私もタイトルだけは聞いていたので読みたかった作品。

「バック・トゥー・フューチャー」のような物を想像していたが、良い意味で裏切られた。

人物の動きの描写は細かいが、SF的な部分ももっと想像出来るように描写して欲しかった。



「LOST 絶滅危惧種」キャシー・ハプカ 竹書房文庫



「LOST」のスピンオフ作品。

島に取り残されたオーシャニック815便の乗客の中には、テレビドラマでは名前も出てこなかったキャラクター達がいる。

そのキャラ達もまた、数奇な運命を背負って島にやってきていたのだ。

ドラマではシーズン1の、墜落直後の島が舞台。



「LOST 隠された自己」キャシー・ハプカ 竹書房文庫



「LOST」のスピンオフ作品第2弾。

自分の分身を見てしまう「ドッペルゲンガー」が出てくるが、これもスモーキーの仕業だと思うと、面白い。



「LOST 運命の啓示」フランク・トンプソン 竹書房文庫



「LOST」のスピンオフ作品第3弾。

やはり舞台は墜落後間も無くだが、主役のジェフはテレビドラマでも是非登場して欲しかった。



「告白」 湊かなえ 双葉文庫



これも映画化されていたようだが、内容は知らず、読み始めたら引き込まれてあっという間に完読した。

ミステリーの一つの形として、とても面白かった。



「モノを捨てよ 世界へ出よう」  高城剛 宝島社



高城剛は本当に良い事を言う。

モノを捨てる部分には、私も耳の痛いところがあったが、世界へ出ようと言うメッセージは、私も全く同感。

日本から出た事の無い人には是非読んで欲しい。

ただ、国外はハワイしか知らない人には、ハワイ以外へ行って欲しい。




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2012年03月29日

読書カテゴリーの復活

1年以上ブックレビューをしていなかったのだが、日記にも書いているように、仕事の待ち時間などにはよく読書をしている。

「読書」カテゴリーも、ブログスペースの引越し以降作っていなかったので新設した。

過去の「読書」カテゴリー:
前アドレス

前々アドレス


自分の読書記録のような物であり、しかもほとんどが頂き物の本で、ジャンルもバラバラだが、意外と私の一行解説だけで読んでみたという方のお話を聞く。

小学生の頃は読書は苦手だったが、「グリックの冒険」を号泣しながら読んで、「本」から与えられる物の素晴らしさを知った。

中学生の頃、小学生から続けていたエレクトーンと、1年生から始めたバスケットボールの合間に、読書クラブに入って感想を書いていたことがあった。

学園祭で貼り出され、友人のお母さんから凄く褒められたことが嬉しかった。

高校生の頃はほとんど小説は読まなかったが、政治経済の哲学書にハマったことがあった。

そしてアメリカに渡ってすぐの頃、当時(1984年)はロスアンゼルスで読める日本語と言ったら「羅府新報」と言う新聞くらいだった。

英語の勉強をすればするほど、日本語の活字が恋しくなった。

やがてどの国の日本人社会でもあると思うのだが、日本人同士で日本語の本や雑誌を回すと言うシステムに乗り、リラックスするために日本語を読むと言う習慣が出来たのだ。

バブル期に日本に戻ってIT系のサラリーマンをしていた時は、電車で漫画ばかり読んでいたが、アメリカに戻るとやはりリラックスして文庫本を読みたくなる。

今はツアー中に、お客さんを待っている時間に読むのがほとんどで、忙しいほど読書は捗る。

ハワイの友人知人ルート以外に、お客さんにもよく頂くし、家にはまだ読んでいない本がたくさんある。

アラモアナSCの「白木屋」には「Book Off」もあるので、ある程度は選ぶことも出来る。

昨年は「三国志」を丸一年かけて読んだのだが、その前と後の本もまとめてレビューしたい。



「QED 式の密室」高田崇史 講談社

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2010年には私も京都「晴明神社」を訪れたが、安倍晴明の伝説に絡めた推理小説。
なるほどと言うトリビアも多いが、説明不足でよくわからないまま進むところもあった。



「ひまわりの祝祭」藤原伊織 講談社文庫

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ゴッホにひまわりを書いた作品がもう一つあったと言う仮説から事件を解くハードボイルド・ミステリー。
長編だがあっという間に読めた。



「痕跡」アルジーン・ハーメッツ 講談社文庫

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サスペンス小説。内容は面白かったが、やはり私はいまだに外国人の名前がたくさん出てくるとわからなくなる。

例えばマイクならマイク、ケビンならケビンと言う友人知人の名前を思い出して、顔のイメージなどで印象付けようとするのだが、人数が増えるとそれが逆に混乱を生む。


「三国志」一〜十三巻 北方謙三 ハルキ文庫

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先輩に薦められて入手して2011年ほぼ一年かけて読破した。
一巻では1ページに一人くらいの割合で人が死ぬなと思ったが、なにしろ今度は中国人の名前が短すぎてまた頭に入ってこなかった。
結局一巻は2回読んだ。
二巻では1ページ100人くらいのペースになった。
三巻で初めて女性が出てきて、これは戦争の話だとようやく気付いたが、STAR WARSと違うのは、戦略の細かさで、これが1800年も前の話だと思うと引き込まれていった。

鉄砲が無いだけで、日本の戦国時代と変わらないような戦をしていたのだと思うと、当時の中国は凄いと思う。

話が進むうちにキャラクターに感情移入していくのは、「LOST」もそうだが、長編物の特徴で、好きなキャラが死ぬ時は辛い。
しかし最初に出てきたキャラは途中でほぼ死に絶えて、次の世代の話になっていく。
歴史小説の場合は結局終わりは無いが、面白かった。

これはまた数年後に読み返してみたいと思う。


「バスジャック」三崎亜記 集英社文庫

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超短編集。なんかあっけなくてつまらないと感じたものもあったが、発想は面白い。


「父と母の昔話」日本エッセイスト・クラブ編 文春文庫

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司馬遼太郎、遠藤周作から、森繁久彌、うつみ宮土理と言う著名人、そして各界の第一人者などのエッセイ集。
1995年発表で、阪神大震災のことを書いた文章が多いが、昭和の世相や家庭を描写したものも。
色々な人がいる事をよく感じた。


「ストロベリーナイト」誉田哲也 光文社文庫

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ドラマにもなり、映画化もされるそうだが、かなりエグい描写から始まるこのサスペンスは、時にジョークが入ったり、細かな精神描写があったりでドキドキしながら読み進めることが出来た。

ドラマや映画ではエグいシーンは当然出てこないのだろうけど、刑事ドラマとしてはそれぞれ個性のあるキャラなので面白いかもしれない。



今年はこれから時代劇シリーズ「研ぎ師人情始末」を読み進める予定。

時代劇はハイテク技術は出てこないが、勧善懲悪の世界ですっきりと読めるのが良い。


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