2019年12月08日

新!ハリウッドスターへの道(1):H50のエキストラ

以前住んでいたLAは、ハリウッドのある、まさにアメリカ映画業界の中心地で、当然撮影もよく見かけたが、ハワイに来てからもそれは変わらなかった。

ハワイは狭いエリアに様々な景色があり、色々な場面を使う撮影にとってはとても都合が良い。

友人の中にはアメリカ映画やテレビドラマに出た事のある人も少なくなく、ほんの一瞬の通行人から、最後にはセリフももらって、立派に演技もした人もいる。

私は「LOST」ファンツアーをやるようになってから、興味を持ちだした。

このツアーなどをしばらく手伝ってもらっていたAKOちゃんは、「LOST」以外にも「Hawaii Five-0」などにも複数回出ていて、ツアー中に話題にすることも多いのだが、撮影現場の話はやはり興味深く聞いてくださる方が多く、私自身が直接見てみたいと言う思いも強くなっていた。


「LOST」の撮影時は、エキストラは毎週テレビニュース内で募集されていた時期があった。

このドラマを放送していたABC局系の夜のニュース番組の最後に、「今週の『LOST』はアジア系のエキストラを探しています」などと言う風に募集があった。

途中でこれが登録制になり、エキストラの希望者は、予めデーターを登録しておくと、必要に応じて連絡が来ると言う風になった。

私もこの後登録をしたのだが、実はすぐに一度連絡があった。

「来週の火曜と水曜日は空いてますか?」

エキストラの経験のある人の話では、普通仕事は一日だけで、このように連日で要請されるとは思ってもいなかった。

だが、この時期、私は「LOST」ファンツアーが忙しく、とても二日連続で休むことが出来ない状態で、「どちらか一日なら可能ですが・・・」と返答すると、「そうですか。今回は二日連続で可能な方のみの募集ですので、またよろしくお願いします。」と切られてしまった。

なんだか、大きなチャンスを逃した気がしたが、既に入っている仕事を断る訳には行かない。


そしてまた少しすると電話がかかってきた。

なんだか少し慌てているようで、急に週末の予定を聞かれた後、「どんな車に乗っていますか?」と尋ねられた。

車?とは思った物の、当時乗っていた「太郎2世」の車種などを答えると、電話の向こうでなんだか調べているような雰囲気がして、1分ほど待たされた後、「ああ、わかりました。その車はいりません」と言って切られてしまった。

多分70年代くらいの車を探していたのではないかと思うのだが、この時も一瞬期待しただけにガッカリした。


ツアー中に画面のキャプチャーをお客さんにお見せしながら、「ココにちょっと映ってるのが僕なんですよ〜」と言ってみたかったのだが、実現しないまま放送が終了した。


「Hawaii Five-0」が始まると、これはすぐにエキストラの登録を受け付け始めた。

私も早速登録。

登録自体はインターネットで出来るのだが、後日呼び出しがかかって、ダイアモンドヘッド撮影所に写真を撮られに行ってきた。

「Hawaii Five-0」は、日本人、日系人は使われやすいと言う情報も聞いていたので、楽しみにしていたが、その後連絡はなかなか来なかった。


実は一昨年の暮れに一度Eメールが来て、「アジア系を募集しています!」と書いてあった。

やっと来たのか!と思って読み進めると、「20~30代のアジア系を・・・」とある。

え?私50代なんですけど・・・

どうやらこれは私に直接仕事の依頼が来た訳ではなく、若目のアジア系の知り合いがいませんか?と言うメールだったのだ。


なかなか難しいなぁと思っていたのだが、10月の頭に夜のテレビニュースの最後にこんなアナウンスがあった。

「『Hawaii Five-0』では、ヤクザのエキストラを急遽募集します。過去に登録している人も、もう一度写真を送ってください。アジア系の男性は奮ってご応募ください!」

「Eメールの表題には『YAKUZA』と書いてください」

と言う事なので、ちょっと怖い顔して写真を撮って、送ってみた。

すぐに受信完了の応答メッセージが来たのだが、以前私が登録した時のキャスティングの会社と名前が違うので少し疑問に思った。

毎年新しいシーズンが始まる際には、エキストラの登録があり、写真を撮るためにスタジオの外に並ぶ人の姿がニュースで放送される事もあるのだが、昨年から出てくる会社の名前が違うので、以前登録した私の分は残っているのかと心配だった。

一度登録したら、情報は引き継がれるので、再度行く必要はないと聞いていたのだが、今回は登録している人ももう一度と言う事なので、再応募した訳だ。


なんだか緊急に必要な感じだったので、1週間も返事が来なかった時点で、私は落とされたと思っていたのだが、11月25日になってメールと電話が来た。

仕事中に留守番電話を確認すると、12月9日に撮影があるが、スケジュールは大丈夫か?とあった。

家に帰ってメールを見ると、やはり同様の事が書いてあり、電話が欲しいと。

翌日電話を入れると、「12月4日は空いてますか?」と聞かれた。

12月9日はホノルルマラソンの翌日で、例年ツアーが入る事が多かったが、今年は空いていたので、グッド・タイミング!と思っていたのに、今度は4日なの?

スケジュールをチェックすると、3日と5日は「Hawaii Five-0」ファンツアーが入っていたが、なんと4日は中日でお休みだった。

「はい!空いてます!」と伝えると、「では前日の3日にメールを送りますので、その指示に従ってください。」と言う事だった。

「ちなみに早朝からとか、夜になるとか、時間帯はわかりますか?」と尋ねたが、「時間も場所も、今の時点では全く分かりません」との答えだった。

撮影自体が中止になったり、日にちが変わる事もあるらしい。

ドキドキしながら待つ事になった。


そして12月3日。

ツアー中の最後の方に、テキストメッセージが送られてきた。





キャスティングからのメールとは別に、これはワードローブ(衣装)からの質問メールだった。

最初の登録の際にも、同様に身体のサイズを提出したが、また聞かれるのは、やはりキャスティングの会社が変わった時、情報がちゃんと引き継がれてはいなかったようだ。


とにかく、「明日スタジオでお迎えできることを楽しみにしています」なんて言うメールが来たら、嬉しい。

早速お客さん達にこの話をすると、大いに盛り上がった。


帰宅後にEメールを見ると、随分長文のメールと言うか、リンク先に詳しい説明があった。

これはエキストラとスタンド・ダブルに宛てた説明なのだが、初めての人はIDを持ってきて欲しいとか、雇用の際の書類だったり、現場では撮影は一切禁止で、ストーリーの内容に関することなどは一切口外禁止などと言った注意事項、そして各配役の集合時間などが記されていた。







私は午前11時にダイアモンドヘッド撮影所近くの駐車場に集合との事だった。

エキストラも立派な仕事になるので、雇用契約を結ぶための書類を提出するのだが、現地に着いてからだと時間がかかるので、ダウンロードして予め記入しておいてほしいとあった。

ところが今、家にはプリンターが2台あるのに、両方ともインクが切れていて、仕方ないのでUSBにダウンロードして、夜に「キンコス」まで行って印刷してきた。

どうなるのかドキドキしてなかなか寝れなかったが、当日を迎えた。


ビーチゴーアーのエキストラには、水着やビーチタオル、その他ビーチ用具を持参するようにと言う指示があったが、ヤクザには何もなかったので、そのまま向かった。

初めての方は少し早めに来てと言う指示だったので、10時半過ぎにはパーキングに車を止めると、セキュリティのロコからシャトルバンに乗るよう言われた。

少し早かったせいか、同じようなエキストラ風の人はおらず、撮影現場のスタッフばかりのバンで、そのままスタジオに行くのかと思ったら、ワイキキを抜けてアラワイハーバーにやってきた。

大型トレーラーが集まった、よく見るロケ隊の村が出来ていて、ヒルトン・ラグーンの先には「カメコナのトラック」も置いてあった。

ヤクザがカメコナの店でエビでも食うのかな?と一体自分がどんな場面で出てくるのかが想像出来なかった。


ヤクザは、実は私のやりたかった役。

同様にエキストラの登録をしていると言う人に話を聞くと、何故か多くの人がスティーブに殺されたいと言う。

私は本当はファイブ・オー本部の地下室に連れこまれて、椅子に縛り付けられてぶん殴られる役をやってみたかったのだが、やはり殴られる役には演技力がいる。

そこで、スティーブ達が悪者のアジトを急襲して、出てくる奴らを片っ端から撃ち殺していくなんて言う場面で、スティーブに撃ち殺されたいと思っていた。

だが、現場がカメコナのトラックなのか?


バンを降りると、ケータリングのテントの前。

降りたスタッフは、朝ご飯を食べ始めた。

私は家で朝食は食べてきたし、とりあえずチェックインをしないといけない。

その辺の何人かに聞いて、キャスティングのトレーラーに行き、持参した書類を出すと、ワードローブのトレーラーに案内された。

「あなたはヤクザね」と言われて、紫色のシャツだけを渡された。

芝生の上にテントを立てただけの更衣室でシャツを着ると、トレーラーに戻りチェックしてもらう。

サイズは昨日連絡していたので、ピッタリ。

「一度脱いで」と言われて、しわ取りのスチームをかけてから、また渡された。


続いてヘアメイクのトレーラーに移動。

中はちょっとした美容院の様だが、椅子に座らされて、担当の女性が15分くらい私の頭をいじっていた。

スプレーかけたり粉振ったり、最後はガチガチ。


ヘアが終わると、ヤクザの仲間が顔を合わせた。

今日は5人がヤクザ役。

私以外は2度以上の経験があると言う事で、色々話を聞いた。

衣装は私以外も上だけで、どうやら写真を撮るだけと言う事が分かってきた。

以前アメリカ人の友人が、ロシアのマフィア役をやったのだが、この時も実は写真一枚で、ファイブ・オー本部のモニタに映し出される手配写真に顔が出た。

私もそんな感じかなと思ったが、やはりこの後スタジオに行って撮影らしい。

つまり衣装とヘアの為に、アラワイハーバーの村まで来た訳だ。


だが、ここではスターを目撃できた。

衣装のトレーラーの目の前には、楽屋用のトレーラーが並んでいたが、それぞれの前にちょっと綺麗な車が駐車してあった。

そしてそのどれもがカリフォルニアのナンバー。

ハリウッドスターたちが「Hawaii Five-0」の撮影の為にしばらくハワイに移住している間は、車も船で運んで使っているようだ。

すると、馴染みのある大きな声が聞こえてきた。

キャプテン・グローヴァーこと、シャイ・マクブライドが巨体を捻じって楽屋から出てきて、白いレンジ・ローバーに乗って出かけて行った。

今度は黒いチェロキーが入ってきて、下りてきたのは新キャラのクィン・ルー役のカトリナ・ロー。

逆に楽屋に入っていった。


ここでスターを見たのはこれくらいで、その後1時間ほどその場で待たされ、ようやくバンに乗せられ、スタジオに移動した。

「Hawaii Five-0」ファンツアーで週に2度はこの前を通るが、中に入るのは、エキストラ登録の際の写真撮影以来。

しかもその時は左手にあるミーティングルームだった。

今日はゲートを入ってから右側に進む。

道路からも見える駐車場のさらに奥だった。

ここで待機と言われたのは、カフェテリア。

中にはロケ現場のスナップ写真などが壁一杯に貼ってあり、これを見ているだけでも楽しかったが、ここからが長かった。

カフェテリアと言っても、長机は畳まれていて、椅子は二つしかなかった。

写真を見た後は、戸口に寄りかかった状態で本を読んでいたが、そのうちにケータリングのトラックがやってきて、スタッフがカフェテリア内で設置を始めた。

椅子も運ばれたので、ようやく座ることは出来たが、ケータリングの食事はまだで、スナックも無く、少し焦れたエキストラ仲間が、キャスティングスタッフに「お腹が空いた」とテキストを送ると、水とチーズを持ってきてくれた。

そして4時前になって、ようやく呼び出しが来た。

屋根の高い、メインのスタジオに足を踏み入れる。

天井の高いスタジオ内は、静かだがエアコンが利きすぎて息が白くなるほどだった。


左右にセットが組まれていて、その真ん中で写真撮影が行われた。

マグショットと言って、警察に捕まった時に撮られる写真。

指名手配写真などにも使われるのだが、ヤクザと言う事で少し怖い顔して、パシャパシャとたくさん撮られた。

私は10分ほど。


ヤクザ役は5名だが、他に海軍のユニフォーム姿の男性二人もいて、彼らの撮影は長かった。

背景やライティングを変えたり、7人の撮影の為に2時間以上はかかっていたと思う。

撮り終わった後も、スタジオ内で待たされたが、寒いので少しウロウロした。

左右に出来たセットは、外からではなんだかわからなかったが、開いていたドアから覗くと、片方はファイブ・オー本部で、スティーブのオフィスが見えた。

もう片方は本部の地下室だった。

さすがに中には入らなかったが、覗いただけでも感動した。


スタジオの裏口は開いていたので、体を温めるために出てみると、過去の撮影に使ったり今後使うかも知れないセットがあった。

例えば放射能危険のサインのあるドラム缶や、巨大な岩など。


辺りも少し薄暗くなってきた5時過ぎに、「ランチ・ターイム!」という声がかかって、全ての作業が一時中断した。

私は既に写真も撮り終えて、それこそ後は帰るだけなのだが、食べて行って良いと言う。

と言うか、途中でランチタイムを取らないと、労働契約上良くないらしい。

先ほどまで我々が待機していたカフェテリアの前と、中に様々な食べ物が並び、バッフェ形式で皿にとって、中で食べた。

5時がランチ?と思うが、スタジオ内の撮影は夜も続く様だ。


スタジオの中にいる間に、アラワイハーバーにいたトレーラーが帰ってきていて、衣装のトレーラーも止まっていた。

そして、楽屋トレーラーも増えていて、そこに先ほどのチェロキーが入ってきて、クィンが出てきた。

続いて黒いアウディのスポーツカーから、大きな犬を連れて出てきたのはタニ・レイこと、メーガン・ラス。

キャプテン・グローヴァーも戻ってきていて、スタジオの隅でスタッフたちとサッカーしていた。

カフェテリア内では、アダム・ノシムリこと、イアン・アンソニー・デールがスタッフと入ってきて、打合せをしていた。


いや〜。なんだかハリウッドスターたちが普通にいる空間に、私も一緒にいると思うだけでちょっと興奮した。


食後はカフェテリアの外にいると、6時過ぎに全員呼ばれ、まずは衣装の返却。

その後キャスティングのトレーラーでレシートを渡された。

これが後日送られてくるギャラの領収書にもなるそうだ。

また、この書類はエキストラの仕事をした証拠になるので、今後ハリウッドの仕事をする時に重要との事だった。

シャトルバンで駐車場まで送られて解散。


今回は写真だけだったけど、いつか演技もしてみたいなぁ。

それより、今回の写真がちゃんと使われて欲しい。

普通は撮影後2カ月ほどで放送になるが、これからクリスマス休暇が入るので、2月中か3月の放送かな?


乞うご期待!!





オアフ島のツアーはダイアモンドヘッドクラブ!

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posted by じゅにーK at 11:15| ホノルル ☀| Comment(0) | ハワイ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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