一時はハワイで撮影された日本映画について調べた事があった私も、「ハワイの夜」は全く知らなかった。
他のお客さんに聞いてみても、知っている人はほとんどいなかった。
古い映画で、やはりホノルルハーバー越しのアロハタワーのカットから始まると言う事なので、興味を持って調べてみた。
するとYouTubeに上がっているではないか!
主演が鶴田浩二と岸恵子、さらに三橋達也くらいまでは私でもわかる。
1953年の作品で、最初の舞台は1940年のハワイ。
太平洋戦争はまだ始まっていない。
水泳のスポーツ親善大使としてハワイを訪れた鶴田浩二が、在住2世の岸恵子と出会い、恋に落ちる話。
その後真珠湾攻撃により日米が開戦する。
二人の運命は如何に!
といった内容。
しかしYouTubeに上がっていたのは15分のダイジェストで、最初の10分と最後の5分だけ。
途中が全然わからなくて、気になって仕方なかった。
なぜこんな古い映画がYouTubeに上がっていたのかと言うと、実は2003年に”新東宝映画傑作選”と言うシリーズでDVD化されていたのだ。
DVD化されているなら、是非入手したいと思い、今度は通販サイトを調べるが、これが意外な値段だった。
最初に見つけた時には、なんと値段が5万円。
これは定価が4800円なので、10倍以上もするではないか!
どこを探しても新品は見つからず、全て中古なのにこの値段は納得が出来ずに、最初は諦めていた。
1年くらいしてまた調べてみると、なんと5000円ほどの、ほぼ定価の中古DVDを出品している店が2件あったのだが、どちらも既に売り切れていた。
写真など何もなかったので、どのような程度の物だったかはわからないし、コピーかも知れない。
そして今年に入って先月また調べてみると、1万5千円ほどの物が二つ見つかった。
5万円に比べればずいぶん安いが、定価の3倍。
だがこれは写真もあって、程度は良い。
元々最初の発売枚数が少なかったようだし、今後程度の良い物が出てくる可能性はわからないので、意を決して買ってしまった。
個人出品の中古なので、海外発送はしてもらえず、日本の母の所に送ってもらったのが、ようやくハワイに届いた。


早速一人で鑑賞会
勿論白黒の映画で、客船でハワイにやってきた鶴田浩二ら水泳選手団が最初に見るアロハタワーが、ダウンタウンで一番高い建物。
カメハメハ大王像とアリイオラニハレ、カワイアハオ教会など、今と変わらぬものも出てくるが、目立つワイキキの建物はモアナホテルとロイヤル・ハワイアンだけ。
アメ車のクラッシックカーでカラカウア通りをパレードしたり、水泳の大会が開かれるのは、デューク・カハナモクも練習に使ったカイマナビーチのナタトリウム(第一次世界大戦戦勝記念プール)で、ここの観客席がエキストラで埋め尽くされている。
「日露戦争が終わって40年」なんて言うセリフが出てくるが、当時子供でも、今は70歳以上にはなっていると思う、多くの日系人やアジア系が集められたのだ。
どこまでスタジオ撮影なのかわからないが、ハワイロケは多く、どう見ても今の日本映画より、(今の物価に合わせても)遥かに予算を使っている感じの大作。
鶴田浩二29歳、岸恵子20歳と言う風には全然見えないのだが、昔の役者は肝が据わっていたのかも知れない。
戦後10年も経たないうちに、対戦国のアメリカ、ハワイでこんな大掛かりなロケを敢行した、当時の日本の映画界と言うのは本当にすごいと思った。
今とは大分様子の違うパリ展望台なども出てくるが、さらに驚いたのはハナウマ湾でのロケ。
1961年のエルビスの「ブルー・ハワイ」が、ハナウマ湾で撮影した最初の映画なのかと思っていたが、日本映画がその8年も前に使ってたのにはビックリした。
「ブルー・ハワイ」も、当時の日本人にはかなり刺激的だったと思うが、この「ハワイの夜」を、戦後間もない日本人はどう言う気持ちで見たのだろう?
さらにカラオケには今でも「ハワイの夜」があるのを見つけたが、一体どんな人が歌うのだろう?
中古で1万5千円もしたが、ちょっと見ると今は一番安くても3万円にまた上がっている。
貴重なDVDなので、これは貸出するつもりはないが、これからうちで上映会を度々開きたいと思う。

色々な意味で突っ込みどころも満載で、価値ある作品だと思う。
オアフ島のツアーはダイアモンドヘッドクラブ!

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