そろそろメインランドでは上下院の勢力図の大勢が判明してきたハワイの午後、徒歩3分のところにある教会に出かけた。
ハワイでは有権者の3分の1が、期日前投票で既に済ませていたそうで、投票所はいつものようにガラガラの雰囲気だった。
マシンを使っての投票にも随分慣れ、サッと済ませた。
日本では選挙運動が行われるのは投票日の前日までだが、アメリカでは当日にもまだ支援要請の電話があったり、テレビでも投票が締め切られるまで様々なメッセージが流れていた。
ハワイではニール・アバクロンビーが民主党として知事になり、民主党が全体的に勝利したが、全米では結果的には民主党は大敗し、オバマ大統領には厳しい審判となった。
クリントンやレーガン大統領の時にも、最初の中間選挙で与党が国会の議席を失った事があったが、2年後には大統領としての再選を果たしている。
国民としては新大統領に対する失望を感じたが、これは期待に対する満足度の低さの表れで、今後は議会との協調が必要になるわけだ。
しかしここで、今回の場合は共和党がブッシュ政権時代とは違う政策を出し、それが国民に認められなければ、共和党はせっかく選挙で得た支持がかえってマイナスイメージとして響いてくる。
さらにオバマ大統領に立ち向かう強力な対抗馬が必要になるだろう。
米国史上初の黒人大統領に対する人気は、まだまだ硬い物がある。
人気を上げつつあるサラ・ペイリン元アラスカ州知事も、今回の選挙で共和党保守派の先鋒として、党の支持を集めてきた事は実績になったが、2年後にアメリカの大統領に成るとはまだ思えない。
女性が大統領になるとすればヒラリー・クリントンが一番近いのではないか?
それともミシェル・オバマ夫人か?
とにかくオバマ大統領には少なくともまだ2年の任期が残っている。
せっかく議会を通過した医療保険改革法も、共和党は廃止にするつもりらしい。
景気の建て直しが一番の課題だが、アメリカだけではどうにもならないこともある。
強いアメリカが維持できるかも、見守って行きたい。
一方日本では、せっかく自民党から政権を奪った民主党が、「外交」と言う経験値やコネクションの必要な部分で苦戦を強いられている。
菅首相は、20年以上前に吉祥寺や仙川の駅前で演説していた頃から知っているので、少なくとも鳩山一族とは毛色の違う、市民運動家出身と言うことで頑張ってもらいたい気持ちはある。
小沢一郎が中国やロシアとどんなパイプを持っているのかわからないが、いまだに国会の証人喚問に出てこないのは、民主党の駒の少なさを物語っているようにも思う。
尖閣諸島や北方領土の問題は、過去の政権が先送りにしてきた事へのツケでもあるが、中国やロシアは領土を外交のカードにして、日本を揺さぶり始めた。
過激な反応を起こすのは良くないと思うが、政府の方針は見えてこず、無策のまま後手後手の対応を続けるなら、それこそまた政権交代が見えてくる。
総理大臣が変わるのは日本では珍しくない事になってしまったが、他国からすれば、リーダーがハッキリせず、それこそ対外的にしっかりと物が言えない弱腰の国として、つけ込まれる隙を与えているようなもの。
日本は民主主義の国だから、総理大臣や国会に文句を言うことは問題無いが、日本人は文句ばっかりで応援する気持ちが足りない気もする。
ワールドカップの時の日本国民の様な団結が、国の未来を左右することに使われないのはとても残念。
マスコミの姿勢にも大きな問題があるが、日本での政治に関する教育が、ただ単にシステムを説明するだけに止まっていることが、国民の政治的無関心を生んでいるのだと思う。
「戦略的互恵関係」なんて言う言葉を使うなら、中国とは少なくとも対等の関係にならなくてはいけない。
それがいまだに戦後を引きずったままの状態では、何の進展も望めないことは明らか。
ロシアともいつまでこの状態を続けるつもりなのだろう?
大国には勝てないと諦めるのか?
根回しをした後に国際機関に訴えて、正当性を主張するとか、何らかのアクションを起こし続けない限り、何の解決もしない。
領土問題はどういう結論が出ても、多少のしこりは残るが、時間が少しずつ癒してくれると思う。
戦後すぐに解決していれば、いろいろな地域の共同開発も進んでいたかも知れない。
解決の先送りほど愚かな状態は無いと思う。
2010年11月04日
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