2011年04月02日

東日本大震災・復興への道@HAWAII(1)

ようやく正式名称が決まった今回の災害。

なんだかご心配もいただいたが、福島にいた私の親戚は津波の被害は無く、原発の避難指定区域ではないが、一部は東京に避難してきいている。

そして小さい子供がいるために福島に帰る目処は立たず、他の土地への移住を真剣に検討していると言うのが現状。


阪神大震災の時はインターネットは無かったが、日系ケーブルテレビ局のNGNがあったので、速攻で契約してライブのNHKニュースを見て情報を得ていたが、今回はインターネットもあるが、NGNがずっとNHKの無料放送を続けていて、とても感謝している。

毎日避難所などから届くリポートには、日本人として心を打つ話も多く、なんだか毎晩涙ぐんでいる。


昔、亡くなった祖母から「関東大震災」の話を聞いて、恐ろしい災害があったんだなぁと、遠い過去の話として聞いていた覚えがある。

「東京大空襲」の話と共に、壊滅状態になった日本はその都度復興を成し遂げてきた事も凄いと思ったが、道路一つ、建物一つ取っても我々の先代が将来のことを思って作り上げてきたものである事を忘れてはならないとも感じた物だ。

当たり前のように電車が走り、道路が整備されているが、そこを汚したり、落書きをするような行為は、歴史を知らず、先代の努力を顧みることの無い無恥の極みであると思う。

結局、教育や躾と言う物が如何に大切かを感じる機会も多いのだが、今回の震災後の多くの日本人の行動は、団結して生きてきた国民性が如実に現れ、アメリカ生活ですっかり人間に対する信用度を低くしている私には救いだったと共に、自分の中に流れる日本人の血が誇らしく感じた。

今回も日本人は団結して、壊滅状態の街も復興していくのだろう。


だが、地震と津波だけでなく、原発の問題は復興を大きく阻害している。

正直言って、20キロの避難圏でも私のように40代も後半になれば放射能で細胞が傷ついて癌になるよりも、別の理由で癌になるか、死ぬ確率の方が高いと思う。

「癌になる危険がありますよ」と明確に書かれているタバコは、まだ多くの人が吸っているのに、政府が危なくないと言っている放射能にビビっているのも全く馬鹿げた話。

しかしテレビやインターネットで震災の被害の話や、一向に良い方向に向かわない原発の話を毎日聞くと、私も夜眠れない時が多い。

最近酒が増えてしまっている気がする。

原発が心配でアル中で死ぬ可能性だってある。


だがまず政府が発表している情報にあまり信用が置けないと言う事と、子供は身体に受ける影響が大きいと言うのもあると思う。

原子力政策を進めている国と、事業者の東京電力、そしてマスコミも東京電力に接待されていたと言う事実から、どこまで国民に知らせてくれるのかには疑問が残る。

記者会見では「『ただちに』健康に影響はありません」と言うフレーズが毎度出てくるが、やっぱりずっとそこにいたら影響が出るだろうし、土地に降り積もった放射能は植物の根から吸い上げられて生態系に入ってくるそうだ。

国際機関の避難勧告と食い違うのは日本の狭さ故かも知れないが、ある程度の国土がこれから先数十年は人間が住めず、一次産業は出来ず、近寄れなくなるのだろう。

高濃度で汚染された海もあるし、復興どころではない状況もあるはずだ。


ハワイにいても、今回はインターネットで色々な情報を入れることが出来た。

「ユーストリーム」や「ニコニコ動画」からは、ただテレビの放送を中継するだけでなく、フリージャーナリストのチャンネルや、第三者機関の「原子力資料情報室」の会見など、今までは海外ではなかなか入らなかった情報が入り、またテレビ中継では途中で切られた東京電力や原子力安全・保安院の会見も最後まで見ることが出来たし、それによってこの災害のこれからの行き着く先まで見えてくるようだった。

既に工場の操業停止などで世界中に部品が供給できなくなって、様々な影響が出ているし、娯楽の自粛ブームでハワイの観光業もしばらくは落ち込むことだろう。

だが、東日本で既に行われている計画停電が今後いつまで続くのかが、今は本当の大きな問題だと思う。


震災の被害に遭った火力発電所を復旧させたり、応急の発電施設を作ったりして、なんとか電力需要に対応させるかもしれないが、これには環境保護としてのCO2対策を大きく後退させなければならない。

そして既に騒がれているが、当然反原子力発電と言う論議はまた大きく復活する。

私も原発は反対である。

世界唯一の被曝国である日本が、さらに被曝者を増やしているのはやはりおかしい。

クリーン・エネルギーとして増やされてきた原子力発電には、大きなリスクがあることが、ハッキリとわかってしまった以上、日本が原子力発電を止めるきっかけになるかも知れない。

しかしその為には、原子力に代わる発電エネルギー源を見つけなければならない。

CO2を排出せず、危険な放射能も出さない発電方法には、再生可能エネルギーとして水力、風力、太陽光、地熱などを積極的に利用するのが一番だが、発電効率が悪く、原子力に代わるまでには至っていない。

だが自転車を漕げば小学生だって発電は出来るのだから、これからは真面目に自転車型家庭用発電機とか、座布団程度の大きさのソーラー発電パネルとか、各家庭の屋根には発電風車が当たり前なんていう時代が来るかもしれない。

電気も自給自足にすれば、節電も当然の事になる。

しかし節電だって限りがある。

これはもう日本人の生活様式や価値観すら変えてしまうかも知れない。

電気が足りない状況で、停電の範囲を巡って不満が出ていると言うが、完全に止まってしまうと埒が明かない仕事も作業もある。

東京電力がどんな保険に入っていても、結局電気代は上がらざるを得ないと思う。

家庭用は据え置かれたとしても、事業用は上がるだろう。

それでも止まってしまうよりは、生産活動が出来ると言うケースが多いと思う。

だが不必要な物は当然無くなる。

何が不必要と思うかだが、結局はエネルギー消費の多い娯楽にしわ寄せが行くのだろう。

太陽の光のある時間に大いに行動して、基本は早寝早起き。

江戸時代の様な生活に日本人が戻れるだろうか?


反原発を唱えるのは簡単だが、現実的には大きな問題。

ハイブリッド・カーを作った日本が、新しい発明で原子力を使わずに国内の電力需要を満たすことが出来れば良いが、そう言えば鉄腕アトムも原子力で動いてたんだよなぁ・・・。


続く


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posted by じゅにーK at 19:15| ホノルル ☔| Comment(2) | ハワイ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする